硬いイメージのある金属材料は実は温度によって伸び縮みする

硬いイメージのある金属材料は実は温度によって伸び縮みする

金属材料は温度に強く影響を受ける

溶接する

金属材料を使うときに気をつけないといけないのが温度変化です。金属材料は優れた硬度と耐久性が期待できますが温度変化によって著しく性能が変化するものもあります。最もなじみ深い金属材料である鉄は温度変化に非常に敏感です。加工時に高温に熱せられた鉄がドロドロに溶けている様子は、一度は目にしたことがあると思われますが、そこまでの高温でなくても簡単に変化することはあまり知られていません。
最近は真夏の異常な高温がニュースで取り上げられる機会が増えていますが、気温が40度を超える環境で鉄を直射日光にさらしておくと歪んだり伸びたりと簡単に変化してしまいます。鉄道のレールが高温で歪んでしまうケースは多いので厳しい環境で使用する金属材料の場合は特に温度変化に対する耐性に注意が必要です。
温度変化に注意が必要なのは高温だけではありません。温度の低下も金属材料に強く影響します。0度以下の環境にある金属は低温の影響で金属組織がもろくなることがあります。このような状態を低温脆性といい、低温脆性にある金属は普段なら何の影響もないような僅かな衝撃で簡単に破損してしまいます。低温環境で金属材料を用いる場合は専用の耐低温処理を施したものを用いるか耐低温性の高い素材を選ぶ必要があります。

金属材料の熱の伝わりやすさを理解すると活用の幅が広がる

夏場に金属を触るとまるで氷のように冷えていますが夏場には逆に焼けているかのように熱く感じられます。なぜ金属を触ると温度をはっきりと感じるのか。それは金属が持つ熱伝導性が影響しています。
熱伝導性とは金属がもつ熱の伝わりやすさのことです。熱伝導性が高い金属材料ほど熱しやすく冷めやすい、逆に熱伝導性の低い金属材料は環境が変化しても温度変化しにくいという特徴が見られます。金属材料選びではそれぞれが持つ熱伝導性を理解した上で最適なものを選ぶ必要があります。
金属材料を持つ熱伝導性を活用して開発されたのが解凍用プレートです。解凍用プレートの上に冷凍された食品を置くと自然解凍と比べて短い時間で解凍することができます。急速解凍することで水分やうま味の流出を防ぎ美味しさを損なうことなくできるのが大きなメリットですが、冷凍された低温の食品を短時間で回答できるのは解凍プレートに使用されている金属材料に秘密があります。
解凍プレートには熱伝導率が高い金属材料が使用されています。熱を伝える能力が高い金属製のプレートの上に冷凍された食材を乗せると通常よりも早く熱(この場合は低温)が伝わり自然解凍よりも短い時間で常温に戻ります。このように金属材料の熱伝導性を理解することで活用の幅が広がります。

マグネシウムは軽量で丈夫な理想の金属材料

金属材料の中でも最近注目を集めているのがマグネシウムです。マグネシウムといえば理科の実験の時にくらいしか耳にしたことがない、という人も多いですが近年急速に普及が進む金属材料として話題を集めています。
マグネシウムの最大の特徴はその軽さです。金属材料は上部で耐久性に優れるのが特徴ですが重量が大きな課題となっています。ほとんどの金属材料は比重が重く、部品や資材として利用する際には自重をどのように支えるかに苦労します。建築物には丈夫な構造用鉄鋼が使用されますが、構造が重くなればなるほど重量を支えるための工夫が求められます。理想としては使用する資材が少ないほどコストカットできるのですが重量と強度とのバランスを取るために苦労しているのが現状です。
マグネシウムは一般的に利用される金属材料と比較するとかなり軽量です。現在軽量の素材としては樹脂やプラスチックが主流ですがマグネシウムはそれらの素材と同じくらい軽量で鉄と比較すると約4分の1の重量です。耐久性や強度に関しては金属材料として十分なレベルであり軽くて丈夫な理想的な金属です。
乗り物の軽量化に成功すればそれだけ少ないエネルギーで動かせるので省エネにもつながります。持続的発展をめざす社会にとってマグネシウムは大きな可能性を秘めた金属材料です。